胎児は記憶力がある

エッセイ

長男を妊娠したため
世界一周旅行を中断し帰国した私は
まだ旅気分を味わっていたくて
当時のパートナーの故郷の沖縄に
住むことにしました。


妊娠して仕事もしていないし
知り合いもいないし
やることがないので
せっかく沖縄にいるし
三線を習うことにしました。


思いの外
お稽古は楽しくて
毎日三線ばかり弾いていました。

三線はちょうどお腹のあたりで
弦を弾きます。


だからおそらくお腹にいる
長男のところへも音や振動が
伝わっていたと思います。

胎児は20週を過ぎた頃か
耳が聞こえていると言われていますので
お腹の皮をはさんで
もろに聞こえていたことでしょう。

お稽古では
まず先生が歌いながら三線を弾いて
お手本を聞かせてくれます。
その後に私が弾くという流れでした。

お稽古は産後すぐに再開し
看護学校に行くために
千葉に帰ってきた
長男が9ヶ月になるまで続けました。

けれども生まれてから
長男は家族に預けて
お稽古に通っていたため
先生の歌や三線を聞いていたのは
お腹にいた時だけでした。

看護学校に通い始めてからは
育児と勉強に追われて
三線はほとんど弾いていませんでした。

時は経ち
長男が2歳になった頃
かつて師事していた三線の先生がCDを
だすとのことで早速購入しました。

そしてCDを流し始めた途端
別の部屋で遊んでいた長男が
飛んできて
スピーカーの前で先生の歌を
聴き入るのです。

「先生の歌、知ってるの?」
と聞くとうんと頷きます。
前のめりで聴き入るその姿をみて
やはりお腹の中で聴いていたんだなぁ
そしてそれを覚えているんだなぁと
実感した出来事でした。

宮﨑あきこ

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助産師 クラニオセイクラルセラピスト (頭蓋仙骨療法師) 千葉県北西部在住 太陽:射手座 月:乙女座 長男の出産を機に、カメラマンから助産師へ。 ベテラン助...

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