養蜂家への道 2021年4月「みつばちと過ごす毎日」

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教員を辞め、憧れのハニーさんに弟子入りした新米養蜂家の修行雑記
桜満開の清里で書いています
桜の下で、日本みつばちの羽音を聴きながら朝の瞑想をしました。とても満ち足りた、幸せな気持ちになりました。
横浜での生活では得難い時間です。
桜の下でみつばちのバイブレーションを聞けるのは、一年のうちでわずか3、4日と言われています。
今ここにに巡り合わせたことに、ただ感謝せずにはいられません。
みつばちの羽音が起こすバイブレーションが、人の心身に影響を与えるということをご存知でしょうか?
あの微細な羽ばたきが起こすバイブレーションを浴びているだけで、体の痛みが和らいだり、気分が向上するという実感を持つ人もいます。
そのことに気づき、セラピーとして提供している養蜂家ハニーさんが、私の師匠です。(※第一話参照)
日々養蜂を学び、その生き方を学ばせてもらっています。
みつばち先生
ハニーさんは、みつばちのことを「みつばち先生」と呼んでいます。
それくらい様々なことを私たちに教えてくれる、小さくて偉大な存在なのです。
みつばちは花から蜜を集め、はちみつを作ります。あの小さな体で、2キロ圏内の花を1日に 2,000 も訪れると言われています。そして、その過程で受粉を行います。
私たちの食べものの7割がその受粉活動の恩恵によって得られるのです。
それだけでなく、受粉から実がなり、動物や鳥の餌となり、森ができ、川の水が豊かになり、その栄養が海に運ばれて多くの命を育みます。そして、その水が雲となり雨となって、また山に降るのです。
想像できますか?
壮大なストーリー…
すべての循環が、
みつばち から始まるんです!!
みつばちは「環境指標生物」
みつばちが暮らせない環境では、私たち人間も暮らせないため、みつばちは 環境指標生物 となっています。
地球にとって欠かすことのできないみつばち。その数が減っていると言われています。
理由は、電磁波や農薬といった環境破壊による「住む場所」や「蜜源の喪失」の可能性が高いのです。
今、私たちにできることは、
*蜜源となるお花を育てる
*農薬(大地に悪影響)を使わないオーガニック製品を作っている会社を応援する
そして、
*今ある自然に感謝をすること
そう、ハニーさんが教えてくださいました。
オーガニック大国であるオーストラリアでは、畑と牧場と養蜂はセットで当たり前だそうです。アメリカやヨーロッパ、特にパリでは街中でも屋上養蜂が盛んで、花の取り合いになっている状態とのこと。
親子がみつばちを見つけると、
「私たちの食べものを作ってくれている蜂さんだよ!」
と声をかけるそうです。
それはみつばちの大切さを小さい頃から教えられているからです。
養蜂家として「みつばち先生」のことを伝えていきたい
そのために、師匠であるハニーさんから学びたいと思っています。
元々私は、神奈川県の公立高校の教員をしていました。教えるという仕事は、毎日充実していて、楽しかったです。
でも、忙しすぎました。
3人の子供達にも充分向き合えてないという気持ちが募っていきました。
そして、“来年は転勤” というタイミングでした。転勤すれば、また最初から授業を組み立て、新しい部署で仕事に取り組まないといけないのです。
さらに子どもに向き合えなくなるのは必然と感じ、仕事を変えようと決心しました。
そんな時、第2子の育休中に生活クラブの講座で、
「みつばちがいなくなると私たちの食べものの7割が食べられなくなる」
ということを知りました。それって大変なことだ、と思った私は、会う人みんなにこの話をしました。
そこで、ハニーさんという人が「プーさんに手紙を書こう」というプロジェクトに取り組んでいることを知りました。
「もっとそのことを人に伝えるべきだよ。ワークショップみたいな形でやってみたら」
と言われました。
当時は育休から復帰したばかり。
今思えば、仕事、育児、家事で毎日をやり過ごすのに一杯一杯だった私が、週末にイベントでワークショップを開くなどという新しいエネルギーの必要なことをよくやったと思います。
なぜか「やってみよう」と思っている私がいたのです
少し前から「健康のその先を見てみない?」と誘われ、腸内環境を整えるために乳酸菌飲料を飲んでいました。
健康のその先が、今の自分につながっているような気がします。
話が少しそれました。
そのような経緯で、戸塚の「森のイロドリフェスタ」で、みつばちのことを知らせる初のワークショップを出展しました。
プーさんに手紙を書くコーナーや、みつばちクイズ、はちみつ情報などをお伝えしました。ハニーさんへの募金箱も置きました。
それがみつばちと関わろうと思ってから初めての活動でした。
そこから、
“やはり自分で蜂を飼ってみよう”
という気持ちに何度もなり、
“難しいから無理”
という諦めとを
行ったり来たりしていました。
そんな時、お友だちのフェイスブックのページであるものを見つけました。
素敵な養蜂箱を発見!
クラウドファンディングで、街中でも簡単で安全に養蜂ができ、はちみつを取り出せるというものでした。
ただし、ホイっとお小遣いで買えるような値段ではありません。
夫に相談したところ、「箱を買うのはいいけれどマンションで蜂は飼えない」とはっきり言われました。
校庭の端っこでこっそり飼うことも考えましたが、「生徒が刺されたら大問題」とすぐに断られました。
実家でその話をしたら、父が「畑の端っこに箱を置いてみればいいんじゃないか?何もしてあげないけど」と言ってくれ、即購入しました。
2ヶ月かけてイタリアから届きましたが、どの部品がどこの何になるのか、、、
IKEAのような簡単でわかりやすい説明書がついているわけでもなく、四苦八苦しながら組み立てなくてはなりませんでした…夫が。笑
実家の周りに蜂は飛んでいたのですが、片隅に置いた巣箱の中にはなかなか入っていただけず、時が過ぎていきました。
「何もしない」と言っていた父も気にはなるようで、日本みつばちが好きだと言われている ”キンリョウヘン” という植物の鉢を置いたりしてくれました。
しかし、気づけば空箱のまま、1年以上が無為に過ぎていました。
時はコロナ禍
外に出る代わりに、様々なZOOM講座を受けていました。
年末にハニーさんの「プーさんに手紙を書こう」のリーフレットをたくさんの方に渡していたのですが、その中のお一人から、ハニーさんのzoomお話会の案内をいただきました。
お話を聞き、なんとしてもこの人にリアルで会わなければならないという気持ちになって、感想を送りがてら、
「リアルでお会いする機会は何かありませんか、お会いしたいです」
と書いたら、すぐにリトリートのお知らせをもらいました。
それで、お正月明けのリトリートをすぐに申し込みました。
夫には、”凄いことが起きる予感” をうまく伝える自信がなかったので、「とにかく参加したいのだ」と、頼み込んで一緒に参加してもらいました。(夫は冬休みはのんびりしたがっていた)
山に挨拶し、滝で虹を見て、杜に入り、自然の中に身を置いてみて、色々なことに気づかされました。
それは夫も同じだったようで、何かがすとんと腑に落ちたように「子供を連れて帰るから、ゆっくりハニーさんと話をしてくれば良いよ」と一泊で帰って行きました。
新米養蜂家の修行雑記、つづく。
養蜂家になるまでの心の葛藤とご家族との歩みが伝わります!ミツバチの体の横に抱えているのが花粉ですか??密じゃないですよね?可愛く思えてくるー。